食米で吟醸酒は造れるのでしょうか?

若狭自慢

普通の米でも吟醸酒のようなお酒になるんです。

 市場に出ている大吟醸酒や吟醸酒は、みなさんもご存知のように酒米を使用して造られています。吟醸酒で60%精米、大吟醸酒では半分の50%まで精米しています。そして酒米というと、普通私たちが食べている米(食米)と何が大きく変わっているんだろうと考えがちです。若狭自慢

 ところが、酒米と食米の主成分にはほとんど差がないのです。

酒米の条件でよく説明されていることは次の通りです。

1)大粒であること・・・米は沢山磨くほど、雑味の少ないお酒が出来ることが知られているので、米の粒が大きいことが要求されます。これは米1000粒の重量「千粒重」(せんりゅうじゅ)で指標化されており、食米が「千粒重」20〜25gに対して酒米は25〜30gです。

2)心白があること・・・精米した酒米の中心部が乳白色に見えるのは、米の内部に細かい空間が存在するからです。これを「心白」(しんぱく)といいます。では、なぜ心白を必要とするのでしょうか?
 これは、麹を造る時に影響が出ます。麹が成長を始めると、根(麹菌の菌糸)が生えてきます。心白のような空間があると菌糸が米の中に食い込み易く、なるたけ菌糸を米の内部に生えさせたいと考えている私たちにとってはこの上ない状態なんです。

3)タンパク質、脂肪が少ないこと・・・タンパク質や脂肪はお酒の香味成分の元になるのですが、多すぎると雑味の元になってしまうので、少ない方が良しとされています。またこの成分は、米の外側程多く含まれているので、私たちは米を多く削ろうと考えるわけです。

4)吸水性が良いこと.・・・米を蒸す前の作業として、洗米し浸漬するわけですが、その時に米がどの程度水を吸ったかという「吸水率」を管理しています。程よい速度で水が吸われる米を好みます。

5)外硬内軟性(がいこうないなんせい)に優れていること・・・米の中が柔らかいと、麹を造る時に菌糸が中に食い込み易くなるので良いのですが、外まで柔らかいと米同士がくっつき麹菌の繁殖を阻害します。蒸した時に、外が硬く中が柔らかく仕上がる米を好みます。

 以上がよく説明されていることですが、あと一つ大事なことがあります。「3)タンパク質、脂肪が少ないこと」と説明しましたが、酒米と食米では主成分は、ほぼ変わりがありません。

米を磨きたい

米の構造

 それでは、何が大きく違うのでしょうか?米の大まかな構造は中心部にデンプンが集中し、タンパク質や脂肪、ミネラルは外側に多く存在しています。そして、このタンパク質などがお酒の味を決める成分なのですが、多すぎると雑味の元になります。

 それでは質問です。雑味を抑えるにはどうすればよいのでしょうか?……答えは米をたくさん磨くのです。外側に多く存在するタンパク質を削り落として、奇麗なお酒を造ることに専念するわけです。大吟醸なら半分磨きます。
 
 さらに質問です。食米をたくさん磨いたらどうなるでしょうか?……では、精米機の中を覘いてみましょう。
 精米が始まりました。米同士がぶつかり合い、お互いを削り合います。その時摩擦熱が発生し米の温度がどんどん上昇します。
 それにともない米の水分が飛んでいきます。米の細胞の水分が無くなり、脆くなり、ついには……割れます!
 割れた米では吸水率の正確な管理が出来ません。結果としてそれ以降の作業に信頼性がなくなり、良いお酒を造ることが出来なくなります。

たくさん磨いても割れづらい。
その磨いた米を水に浸けても割れづらい。


 という特長に特化したものを酒米と称して、より品質の高いお酒を造るために、私たちは高くても酒米を買い入れるのです。
 
こんな話を聞いたんです

 こんな話を聞いたことがありました。広島の酒類総合研究所で過去に実験したお話です。
 山田錦50%と食米50%精米した米でお酒を仕込んだそうです。食米にはかなりの手間暇をかけて割れないように精米しました。その結果どうなったか?………同等の品質のお酒を造ることができたそうです。

 実験なので、精米に対するコスト、リスクを考えなかったから出来たわけです。そして、この実験によって精米歩合が米の品種よりお酒の品質に大きく影響を与えることが裏付けられたわけです。

 この話を知って私は、50%は無理でも、60%なら何とかならないかな?と考えて造ってみる事にしました。
1)加工用米を60%に精米する (加工用米とは、お酒、加工米飯、味噌、米菓等々の用途に供給することを目的として生産される米穀)
2)吟醸酵母を選択する
3)純米として商品化する
を条件にして吟醸酒と同じ管理をして仕込み始めました。心配するほど多く割れなかったので、うまく仕込みをすることができました。
 
華やかな吟醸香とキレのある仕上がりのお酒
若狭自慢
こうして出来上がったのが、華やかな吟醸香とキレのある仕上がりのお酒

純米若狭自慢です。

冷やしてお飲みください

 酒米ではなく食米で仕込んであります。吟醸酒と同じ規格の60%まで磨き、吟醸酵母を使用した純米酒です。 米の旨味はしっかり感じつつ、華やかな香りとキレの良さのおかげで、スッキリした味わいです。鍋物との相性が良いです。

720ml 税込 1,177円





会社概要
会社名 鳥浜酒造株式会社

法人番号 4210001010948
代表取締役 小堀安彦
住所 〒919-1331
福井県三方上中郡若狭町
鳥浜59-30
資本金 1,000万円
創業 1920年
従業員数 5名



社会的証明ー01

創業は大正9年

100年以上の歴史ある企業

 大正9年、当時はその生計を漁業と農業に頼りきっていた時代に、米の需要開発、そして地元のお酒の創造を目的として、初代小堀彦五郎を中心に50名以上の株主たちの協力の元、鳥浜酒造は生まれました。

 3代目の時代は、簡易上水道の敷設による生活環境の向上と、地域住民の暮らしの中に根付いた取組を行ってまいりました。

社会的証明ー02

登録有形有形文化財の蔵元

後世に残す施設群

「鳥浜酒造株式会社の施設群を建築的視点で所見を述べると次のようになる。

 この施設群は県内では数少なくなった近代の清酒醸造工場の建築群である。後の増築・改造はあるものの、工場から住宅までを含んだ建築当初の状況を比較的良くとどめている。

 また、移築建物と新築建物との寸法・構法などの建築的差異も歴然としており、建築の地域性を考える上でも興味深い。

 さらに、既存集落の外周部において、伝統的形態と近代の新しい形態の両者を合わせ持った姿は、景観にも大きく寄与している。」

調査担当者 高嶋 猛(福井大学大学院工学研究科建築建設工学専攻 講師)
(協力:福井大学学生)

指定を受けることになった最大の理由

  上記は登録文化財候補調査書の結びであります。平成24年1月29日には記念式典が行われました。

  その折、高嶋 猛 先生は、足掛け3年の調査において、国の登録有形文化財の指定を受けることに至った最大の理由は、

 「建築物の形態云々よりも、いかに若狭町の地元住民の心に根付いた蔵元であった」と言うことでした。


社会的証明ー03

造り手は元サラリーマン

1963年生まれ、お酒を造る会社に生まれたがプラモデルを造るのが好きだったのか東京のプラスティック成形会社に就職。

先代が急に亡くなったことから会社を継承。
お酒の造り方を知らないことを逆手に取り、既成概念にとらわれない酒造りに取り組んでいます。
  

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